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UNIDO東京事務所 設立40周年

UNIDO東京事務所 設立40周年

国際連合工業開発機関 東京投資・技術移転促進事務所(略称:UNIDO東京事務所)は、2021年に設立40周年を迎えました。この間、日本の産業界、政府及び関連機関、大学や研究機関といった多様なステークホルダーからの多大なご支援をいただき、日本から、開発途上国や新興国へ、多くの投資や技術移転を実現することができました。40周年を記念し、UNIDO東京事務所の活動40年の歴史と、これまでの取り組みを振り返ります。

40年にわたる活動の歴史

UNIDO東京事務所は1981年3月、UNIDOと日本政府との間で締結された合意に基づいて設立されました。日本は産業や技術分野において途上国や新興国が必要とする経験や技術、ノウハウを有していることから、日本からの直接投資と技術移転の促進を通じて、途上国と新興国における持続可能な経済発展を支援することが当事務所の使命です。こうした活動は、ひいては日本の産業発展にもつながっていきます。

 

エチオピアへの投資機会に関するデレゲートプログラム

東京事務所の主な活動の一つである「デレゲートプログラム」では、これまでに約80の開発途上国および新興国から、投資を担当する政府関係者約320人を日本に招へいしました。参加者は数週間から数か月間日本に滞在し、UNIDO東京事務所と協力して日本企業に向けた投資促進セミナーや、日本企業との個別のビジネス相談会などを実施。また、様々な日本企業の工場やオフィスを視察しました。

 

 

コロナ禍ではイベントやセミナーをオンラインで開催

特に日本企業と途上国・新興国の個別のビジネス相談会は1995年〜2021年、約5,900件実施しました。 加えて、1998年〜 2021年には、国内外の様々な団体や組織と協力し、国別、地域別、テーマ別のセミナーやイベントを約1,000回開催しました。

 

 

バングラデシュにおけるユニクロの生産拠点設立を支援

こうした個別のビジネス相談会やイベントなどでは、各国の政治・経済情勢、法制度、生活習慣や文化など、ビジネスに必要な基本情報を提供するとともに、日本企業からの投資促進のため、投資関連のインセンティブやネットワークに関する具体的な情報を提供しました。結果としてこれまでに約160件の直接投資が実現しました。

 

 

 

アフリカアドバイザー

当東京事務所が現在、重点を置く地域の一つにアフリカがあります。2013年からは、「ラストフロンティア」として知られるアフリカの急成長と日本企業のビジネスチャンスを結びつけるために、アフリカ市場に参入する日本企業を支援するアドバイザリー事業を開始しました。 アフリカ地域に4人のアフリカ人アドバイザーを配置し、これまで海外事業展開プロジェクトで年間80社以上を支援しました。

 

 

STePP技術検証プロジェクトの一環でケニアに設置された医療廃棄物焼却炉

また、日本からの技術移転をさらに促進させるため、2019年4月にはエネルギー、環境、アグリビジネス、保健衛生、災害対策の分野で日本企業の優れた技術を登録し、情報をウェブサイトや展示会を通じて途上国や新興国に発信する「サステナブル技術普及プラットフォーム(STePP)」を立ち上げました。ウェブサイトや展示会などを通じて登録技術を広めており、2021年10月現在、日本企業103社の120技術が登録され、ウェブサイトには140カ国以上からのアクセスがあります。

 

 

 

ステークホルダーの皆様からのメッセージ

当事務所がこの40年の間にご支援・ご協力いただいたステークホルダーの皆様から届いたメッセージを紹介します。

 

「1980年代後半から1990年代初頭にかけ、多くの日本企業が国内の生産コスト上昇を受けて、生産施設を日本からバングラデシュを含む他の国へ移しました。 当時、UNIDO東京事務所は日本企業からバングラデシュへの投資を促進する上で重要な役割を果たしました。 同様に2000年代半ばには、衣服や繊維に関連する多くの著名な日本企業がバングラデシュへ進出、操業を開始しました。 これら成功の裏には、UNIDO東京事務所の支えがありました。 また、UNIDO東京事務所には、日本で開催されたバングラデシュ投資に関するたくさんのセミナーや商談会を支援していただきました。 UNIDO東京事務所は設立以来、日本からのバングラデシュ投資促進に携わり、これまでずっと支援を続けてきました。 今後においても我々は、UNIDOからの協力や支援を期待しています。」

ハイソン・インターナショナル社CEO M. ジャラルル・ハイ氏(バングラデシュ)

  

「コロンビア政府を代表して、UNIDO東京事務所の40周年に際し、深く感謝申し上げます。 これまでの数十年に渡るUNIDO東京事務所のリーダーシップ、また、我々コロンビア、特に駐日大使館や投資促進機関との協同、支援や友情に言及することで、この度の40周年のお祝いに参加できることを大変嬉しく思います。最近のパンデミック禍においても、我々は協同で日本企業にコロンビアの投資環境を紹介するオンラインセミナーやデリゲートプログラムなどを開催しました。 これらの協力は、両国間の架け橋を築き、投資家がコロンビアをチャンスと見なすよう奨励するために重要な役割を果たしました。」

サンティアゴ・パルド・サルゲロ駐日コロンビア大使

 

「この度はUNIDO東京事務所開設40周年、誠におめでとうございます。昨年度は、サステナブル技術普及プラットフォーム「STePP」技術検証プロジェクトに採択頂き、ウガンダへの感染管理分野での技術移転を進めることができました。今後、さらに貴事務所との連携を深め、高付加価値食品加工や食品衛生推進といった面からも、途上国開発課題解決に貢献して参りたいと考えております。貴事務所におかれましても、益々の発展を心よりお祈りいたします

 

サラヤ株式会社・海外事業本部 アフリカビジネス開発室長 北條健生氏

 

「駐日ウズベキスタン共和国大使館を代表して、UNIDO東京事務所が開設から40周年を迎えたことに心からお祝いを申し上げます。過去数年間、UNIDO東京事務所の支援を得て、福岡、大阪、京都、東京など日本各地でビジネスセミナーやデレゲートプログラムを開催することができました。これらは両国のビジネスパーソンをより身近にし、日本の新しいビジネスチャンスや革新的な技術をウズベキスタンへ紹介する機会となりました。この40周年の節目に、UNIDO東京事務所の皆様の今後のご活躍をお祈り申し上げます。今後も実りある協力を続けていきたいと考えています。」


ムクシンクジャ・アブドゥラフモノフ駐日ウズベキスタン大使

 

「セネガル共和国政府を代表して、UNIDO東京事務所の40周年に際し、心よりお祝い申し上げます。 UNIDO東京事務所の設立は、日本の開発協力における先見の明、効率性や今後のビジョン、さらには開発途上国のニーズに合わせた解決策を提供する日本の力を示していました。40周年にあたり、今後特にTICAD関連のプロセスを通じて、日本とアフリカのさらなる経済協力の発展と高品質技術の促進を願っています。開発協力における課題を十分に認識し、常にアフリカ諸国とともに歩んできたUNIDO東京事務所は、2019年から展開を進めている西アフリカ地域を含むアフリカ全土において、日本からの投資と技術の促進アドバイザーとして成功し、今もたゆまぬ努力を続けています。これまでにもアフリカにおける経済構造の変革や工業化に質の高い支援を続けてきたUNIDO東京事務所ですが、今後もUNIDO本部や日本政府からのさらなる支援のもとで、素晴らしい努力を続けてくれると期待しています。」

ゴルギシス駐日セネガル大使

 

「UNIDO東京事務所40周年心よりおめでとうございます。当社独自技術の乾溜ガス化燃焼をSustainable Technology Promotion Platform(STePP)に選んでいただきました。RIO+20、視察団の受け入れ、セミナー講演などの貴重な機会に加え、COVID感染対策では、ケニヤ感染性廃棄物焼却炉設置実証プロジェクトで大きな成果を得ています。廃棄物処理、環境負荷の低減、エネルギー問題など、開発途上国の課題解決に貢献していきたいと考えています。今後とも皆様の更なる発展と成功を心よりお祈り申し上げます。

キンセイ産業 代表取締役社長 金子正元氏


「ケニア投資庁は、UNIDO東京事務所の創立40周年に心からお祝い申し上げます。UNIDO東京事務所の任務は、「日本からの直接投資と技術移転を促進し、日本産業の国際的な活躍の場を広げる」ことであり、ケニア投資庁は、そのデレゲートプログラムに参加することにより、ケニアへの投資機会を日本の投資家に向けて発信することができました。 UNIDO東京事務所が企画する日本企業訪問は、時には既存の投資家も含み、事前にターゲットを絞って計画されているため、ケニアの開発目標に多大な貢献をしました。これらの企業は、ケニアにおいて多くの雇用を創出し、技術移転を促進したことに加え、外貨獲得をももたらしました。私たちは引き続きパートナーシップを継続し、UNIDO東京事務所との連携を続けていきたいと思います。40周年を迎えるにあたり、UNIDO東京事務所のすべての関係者に感謝の意を表し、さらなるご活躍をお祈り申し上げます。」

ケニア投資庁 投資家サービス部門 ゼネラルマネージャー グラチャ・アディ氏
ケニア投資庁 投資促進部門 投資促進官 ヘザー・ムニャオ氏

 

「私が1997年にモロッコ投資開発庁の代表としてデレゲートプログラムに初めて参加した時から、共に歩んできた全てのUNIDO関係者の皆様に、UNIDO 東京事務所の40周年を祝して深く感謝を申し上げます。UNIDO 東京事務所の協力により、複数の日本企業が、特に自動車産業とエネルギー部門においてモロッコへの投資を決断しました。こうした努力のおかげで、モロッコでは産業が未発展だった90年代の終わり頃と比べ、70社以上が新たに設立され、50,000以上の雇用創出につながりました。UNIDO東京事務所との連携は、私がタンジェ地中海特別庁やMidparcカサブランカフリーゾーンに異動したときでさえ、途絶えることはありませんでした。今後の共通の課題は、モロッコの航空宇宙産業の振興を支援していくことです。」

カサブランカ航空産業フリーゾーンMidparc局長 アレフ・ハッサーニ氏


※ステークホルダーの皆様からいただいたメッセージは今後追加していきます。

写真で振り返る40年間

※写真は定期的に追加、変更します。