サステナブル技術普及プラットフォーム「STePP」
■ 開発途上国・新興国の持続的な産業開発のために──目的・経緯
UNIDOは、開発途上国の産業開発の促進を第一の目的とする国際連合の専門機関です。UNIDO東京事務所は、こうした目的を達成するため、日本の技術の投資または輸出等に付随させた技術移転の促進を目指しています。そのためのツールとして、日本の優れた技術で、開発途上国の持続的な産業開発にも資する技術を紹介するプラットフォームである「STePP」を提供しています。「STePP」は、「Sustainable Technology Promotion Platform; サステナブル技術普及プラットフォーム」の略です。
UNIDO東京事務所では、弊所ウェブサイトや各種展示会でのSTePP登録技術の紹介、当事務所の在アフリカ職員による当国ニーズとSTePP登録技術とのマッチング等を通じて、開発途上国の持続可能な産業発展に資する日本企業の優れた技術を、開発途上国に移転してきています。
2024年10月時点で、132社から148の技術がSTePPに登録されています。
■ 対象分野
- 再生可能エネルギー(例:太陽光発電、小水力発電、風力発電、バイオマス発電)
- 省/蓄エネルギー(例:コージェネレーション、蓄電池)
- 未利用資源の活用(例:高効率・低排出の化石燃料利用技術)
- 環境汚染対策(例:水・土壌・大気の汚染防止)
- 廃棄物処理(例:産業・一般廃棄物の処理)
- 循環型社会構築(例:3R(リユース・リデュース・リサイクル))
- 食品・飲料バリューチェーン(例:食品・飲料の加工、品質管理) ※食品・飲料そのものを除く
- 生産性の向上(例:土壌改良剤)
- 気候変動への適応(例:ドロップ灌漑システム)
- 水資源の確保(例:淡水貯蔵システム、海水淡水化)
D) 保健衛生 ※医薬品、人体への侵襲性の高い医療機器、民間療法等を除く
- 公衆衛生(例:上水道、トイレ、感染症予防)
- 健診及び診断(例:途上国の遠隔地で必要とされる簡易的な診断機器)
- 警報システム(例:地震・落雷・洪水等に関する警報装置)
- 災害予防(例:斜面崩落防止、制震装置、避雷器) ※耐震性住宅を除く
- 災害応急対策(例:災害後に応急的に使用される居住関連設備、救助用機材)※飲料水製造や衛生資材については、D)保健衛生関連技術に分類する
※A)~E)を通じて、その有効性が一般的に認められている科学的な法則や理論によって説明できない技術および水自体の加工に関わる技術を除く
■ STePPへ登録された技術に対するUNIDO東京事務所からの支援内容
STePPに登録された技術に対して、UNIDO東京事務所より様々な支援を提供しています。ウェブサイトへの掲載や展示会等でのプロモーション活動を通して、国内外に広く技術を紹介することによって、開発途上国等で真剣に技術を求めている行政担当者、企業の技術者、技術コンサルタントなどから問合せが入る機会が増えます。(STePPへの登録の目的は途上国への技術移転の促進であり、技術移転を伴わない製品の販売促進ではありません。)
以下は、当事務所が提供している主な支援内容です。
- STePP登録確定書(英語)の発行
- STePPロゴの使用許可
- 当事務所ウェブサイトでの技術の詳細の紹介
- 当事務所ウェブサイトでの技術を紹介する動画の作成 (対中小企業のみへの支援)
- 当事務所や他機関が主催する展示会への出展や国際会議での説明
- 当事務所が招聘する開発途上国等のビジネス担当官や、当事務所在アフリカ職員による本国のニーズとSTePP技術のマッチング
■ STePPへの登録による効果
UNIDO東京事務所ウェブサイトでの技術の詳細の紹介
UNIDO東京事務所のウェブサイトは、開発途上国、新興国、先進国を問わず世界中からアクセスされており、これまでにアクセスしてきた国は140カ国以上に亘り、日本からの投資・技術移転に関心を持つ方々に閲覧されています。STePPに登録することによって、そうした方々に対して、技術情報を提供することが可能となります。
アクセス数の多い開発途上国・新興国:インド、中国、ブラジル、バングラディッシュ、フィリピン、インドネシア、イラン、トルコ、ベトナム、シンガポール、パキスタン、タイ、ベネズエラ、ロシア、マレーシア、カンボジア、UAE、サウジアラビア、スリランカ、ウガンダ、ヨルダン、南ア、メキシコ、ペルー、オマーン、ナイジェリア など
STePP登録技術を見るには「こちら」をクリック
当事務所ウェブサイトでの技術を紹介する動画の作成 (対中小企業のみへの支援)
当事務所では、個々のSTePP登録技術を紹介する3分動画を英語で作成し、上記ウェブサイト及びYouTube上で公開し、また、UNIDOが関係する各種イベント等で放映しています。動画は貴社でのプロモーションにもご使用いただけます。動画作成は、中小企業(中小企業基本法第2条第1項の定義に基づく)の登録技術を対象に、当事務所の負担により作成しています(年間上限件数あり)。動画は、上記ウェブサイトにアクセスしてきた、日本からの投資・技術移転に関心を持つ方々に視聴されています。
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当事務所や他機関が主催する展示会への出展や国際会議での説明
当事務所が主催する展示会や商談会、他機関が主催する展示会や国際会議サイドイベント等において、実機及びパネルの展示やワークショップを通じてSTePP登録技術の情報発信を行っています。展示会や商談会には、外国政府機関、在京外国大使館、外国商業貿易関連団体、外国企業、投資家、開発協力機関等から参加があり、そうした方々と具体的な技術についての情報交換や商談を行うことが可能となります。
当事務所が招聘する開発途上国等のビジネス担当官や、当事務所在アフリカ職員による本国のニーズとSTePP登録技術のマッチング
当UNIDO東京事務所は、毎年一定数の開発途上国の政府・政府関連機関の投資・貿易の促進を担当する専門官を日本に招聘しています。また、当事務所は、アフリカ3カ国(エチオピア、セネガル、モザンビーク)に日本との投資・貿易を促進する担当職員を配置しており、さらに、UNIDO総体では世界50ヵ国以上に現地事務所を構えています。こうした専門官や専門職員・現地事務所を通じて、STePP登録技術を当該国に紹介したり、逆に途上国の情報をSTePP登録企業が収集することが可能となります。