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使い捨てプラスチックの生産と消費への代替アプローチでUNIDOと日本政府はエジプトを支援

使い捨てプラスチックの生産と消費への代替アプローチでUNIDOと日本政府はエジプトを支援

2021.03.09

2021年3月9日ウィーン

能化正樹駐エジプト・アラブ共和国日本国特命全権大使と、バセル・アル・ハティーブ国際連合工業開発機関(UNIDO)駐エジプト代表兼地域ハブ事務所所長は、環境へのプラスチックごみ流出を減らすため、使い捨てプラスチックのバリューチェーンにおける循環型経済の実践促進支援計画に関する交換公文に共同コミットメントとして署名しました。

署名式にはラニア・アル・マシャート国際協力大臣、ヤスミーン・フアド環境大臣、ネビーン・ガーメア貿易・産業大臣など多くの政府高官が参列しました。

エジプトのプラスチック産業は、国の経済発展と、包装、ヘルスケア、耐久消費材、自動車産業などのさまざまな主要セクターの成長に大きく貢献してきました。しかし、プラスチック、特に袋や包装などの使い捨てプラスチック製品は、不要になったときに適切に廃棄されず、観光への悪影響、農地排水システムや下水道システムの詰まりによる突発的洪水など、さまざまな問題を引き起こしています。

このプロジェクトは、中小企業(SMEs)への技術支援を通してより環境に優しい代替アプローチを示し、既存の持続可能なプラスチックの生産と消費パターンの認識を高めることにより、プラスチック廃棄物の環境への流出量を減らす政府の取り組みを支援します。このマルチレベルのアプローチは、より環境に配慮したプロセスの適用や供給、および使い捨てプラスチックバリューチェーン内のビジネスモデルのサポートを促進する政策、規制、経済的手段の開発が期待されています。

2019年に日本が議長を務めたG20では、2050年までに海洋プラスチックごみによる汚染をゼロにすることを目的とした「大阪ブルー・オーシャン・ビジョン」が共有されました。これを支援するため、日本は「マリーン・イニシアティブ」を立ち上げ、世界規模で海洋プラスチックごみと戦うための効果的な行動指針を推進しました。このイニシアティブの一環として、日本からの資金提供と国際協力機構(JICA)の協力により、代替材料、包装技術やリサイクル技術などの持続可能な技術的オプションを導入する可能性を模索するため、UNIDOはエジプトのプラスチックバリューチェーンの調査を実施しました。本日の署名は、この調査が無事に完了した結果です。

このプロジェクトは、包括的で持続可能な産業開発の達成を目的として、2020年2月に開始されたUNIDOのエジプト向けパートナーシッププログラム(PCP)に貢献することになります。 PCPは、投資促進、環境に優しい産業、スマートシティと持続可能な工業団地、バリューチェーン、そして第4次産業革命の主流化という6つの要素で策定されています。

ラニア・アル・マシャート国際協力大臣は調印式にて「この署名は、エジプト政府、UNIDO、日本政府の連帯協力を表しています。この協力は循環経済を促進し、民間セクターと中小企業をこの分野に統合することに重点を置いて環境を保護し、我が国の経済発展を支援します。」と述べました。

ヤスミーン・フアド環境大臣は「エジプトにおける使い捨てプラスチックの消費を減らすための長年の努力の後にこのプロジェクトは開始しました。この分野は依然として多くの課題に直面しており、この分野の中小企業に提供される必要な法規制と金融サービスも含め、このプロジェクトは重要です。」と述べました。

フアド環境大臣は、使い捨てプラスチック製品に代わる画期的な製品の設計と製造に取り組んでいる中小企業と起業家の多くの成功例を紹介しました。

ネビーン・ガーメア貿易・産業大臣は、「このプロジェクトは、今後5年間に実施されるPCPの枠組みの中でのUNIDOとの戦略的協力を反映しています。このプロジェクトは、産業の環境への配慮という国の優先事項に沿ったものです。環境に悪影響を与えるため、使い捨てプラスチックメーカーへの金融サービスの提供を停止する法令をエジプト政府を出しました。同時に、これらのプロジェクトには環境に優しい代替案に移行するための技術サポートサービスが提供されます。」と述べました。

能化大使は発言の中で、「日本政府は、1990年代から産業界と市民の協力を得て、3R(削減、再利用、リサイクル)をたゆまず推進してきました。日本のプラスチック製のパッケージやボトルは、現在、ほとんど廃棄物がでないことが知られています。この支援による技術移転は、将来の世代のためにエジプト周辺の豊かな海を守る具体的な行動につながると確信しています。またこのプロジェクトがエジプトのプラスチック産業にとって、世界中で循環経済を達成するための努力が加速し、またコロナウイルス後の時代に成長する新しいエンジンとして機能することを願っています。」と述べました。

バセル・アル・ハティーブ UNIDO 駐エジプト代表兼地域ハブ事務所所長は、「日本政府のUNIDOとエジプトへの継続的協力に感謝します。このプロジェクトは、PCPエジプトの環境に配慮した産業構成の一部です。この構成は、生産性を向上させ、エジプトの製造部門への環境の悪影響を減らすことを目的としています。この新プロジェクトは、規制、制度的支援、企業レベルの支援、新技術、持続可能な製造のためのスキル向上を組み合わせて、使い捨てプラスチックの生産と消費の環境に優しい移行を可能にする統合フレームワークに沿って行われます。これはエジプトにおける包括的で持続可能な産業開発を達成するのに役立ちます。」と述べました。