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UNIDOはウクライナでの初肢装具製作において重要なマイルストーンを達成

UNIDOはウクライナでの初肢装具製作において重要なマイルストーンを達成

2024.10.16

国際連合工業開発機関(UNIDO)は日本政府と協力し、「ウクライナにおける3Dプリンターを活用した義肢装具製作の緊急支援および雇用創出」のプロジェクトを推進しています。この革新的かつ先進的な活動は、義肢装具製作に革命を起こし、ウクライナで雇用機会の拡大を目指すことを目的としています。専門研修プログラムの開始や3Dプリンターを活用した初の義肢装具フィッティングの成功など、特に現在のような紛争の最中においては重要な取り組みとなっています。

プロジェクトでは、リヴィウのハリチナ・リハビリテーション・センターでデジタル義肢装具のための工学をテーマに8週間の総合研修コースを開講しました。さまざまな医療機関とリハビリテーション・センターから10名のウクライナ人義肢装具士が集まり、高性能な3Dプリンター技術を活かした能力向上を目指しました。日本政府の支援により、最初の2週間は先進的かつ実務的な学習体験が実施され、日本の整形外科と義肢装具の専門家の指導の下、最先端の3Dプリンター技術とデジタルモデリング技術に関する講義を行いました。その後6週間の実務研修を通して、参加者は新たに学んだスキルを現実世界のシナリオにあわせて応用することができるようになりました。この研修は、32名の復員軍人のために義肢装具をスキャンし、モデリングし、3Dプリントしてフィッティングを行う、高品質な義肢装具サービスの提供という重要な使命を開始するための準備であり、義肢を必要とする人びとの生活に非常に大きな影響を与えるものです。

 

研修プログラムが見事成功したことにより、UNIDOはリヴィウにいる手足切断の患者向けに、3Dプリンター使用の初の義肢装具フィッティング開始について、自信を持って公表するに至りました。これは非常に意義深い一歩です。今回の功績により、このような取り組みがウクライナの紛争地域における義肢装具製作産業に革命を起こす可能性が示されました。また、プログラムの一環として高性能な3Dプリンター、レザースキャナー、現地で高品質な義足を製作するうえで欠かせない機器などが地元企業に贈られました。この度の先進的な施策は、ウクライナの義肢装具サービスにおける近代化への前進と可能性の拡大を明確にしたと言えます。デジタルスキャニングとデジタルモデリングを取り入れることで、遠隔地へのより効率的かつ柔軟な義肢装具の提供が実現できるのです。
このプロジェクトでは、生活の自由度と質の向上というメリット以上に、ダイナミックでインクルーシブな労働力育成に焦点が当てられています。手足切断の患者のための持続可能な雇用機会を創出することで、自営業でも会社員でも、将来的に個人の自立を再び促し、経済的な成長と安定に寄与するための重要なステップとなります。今回の施策は、社会的・経済的発展を促進し、イノベーションとテクノロジーを通じて地域を活性化するという、UNIDOが掲げる大きな目標に沿って実現されたものとなりました。

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