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5年間に200億ドル以上―海外投資に沸くモザンビーク

5年間に200億ドル以上―海外投資に沸くモザンビーク

2015.02.19

昨年のモザンビーク日本投資フォーラムには380人が出席。様々な案件が実現に向け動き始める2015年度がスタート。担当官が語る日本企業へのメッセージ。

Armando Emilio Guebuza ponte (1024x680)

モザンビーク投資促進センターの担当官であるケンワッティ・ムアンド(サティ・ローヒット)氏にお話をうかがいました。

マプトでの暮らしはいかがですか?日常生活で経済成長の恩恵を感じますか?

モザンビークの首都かつ最大の都市がマプトであり、その人口は100万人を超えます。マプトは比較的治安が良く、気候も快適で、美しいビーチがあり、色々なレジャーやスポーツが楽しめます。高級ホテルからバックパッカー向けのホステルまで幅広い宿泊施設があり、国際的なチェーンのショッピングモールやスーパーマーケットもあります。映画、音楽、ドラマ、ダンス、エキジビション、イベントなど文化的な生活も楽しめます。インターナショナルスクールや医療クリニック、近代的なビルもあります。年間7.5%の経済成長は2015年も続く見込みです。生活必需品、家庭用品、教育、医療サービスについても、一般市民が幅広い選択肢から選べるようになりました。

外国企業はモザンビークで活動していますか?

Kenmare operations, Moma (454x302)モザンビーク経済は、継続的な経済改革、鉱物や天然資源の莫大な埋蔵量の発見、農業・食品産業、輸送・通信、エネルギー、観光、インフラ開発等の拡大及び投資優遇政策展開の結果として、世界中から大規模な海外投資を惹きつけています。競争力向上の結果、モザンビークではこの10年間に非常に大きな民間資金の流入を記録しました。直近5年間だけでも200億米ドル近い資金を受け取っています。

多くの外国企業が様々な分野で活動しています。例えば、Anadarko Petroleum (米国); 三井物産、双日(日本); Baobab Resources(オーストラリア); Indian Consortium International Coal Ventures Private Limited (ICVL); Sasol New Energy Holdings (Pty) Ltd and Orica South Africa (Pty) Ltd (以上、南アフリカ); SUMOL + COMPAL AFRICA, SGPS, Ltd(ポルトガル); Kentz Mauritius Limited(モーリシャス); Orlean Invest Holding, Limited(英国領バージン諸島); Essar Ports Africa, FZE(アラブ首長国連邦)など、他にも多数あります。

近年、モザンビークと日本のビジネス関係に何か変化は見られますか?

Pande gas pipeline (1024x667)モザンビークはアフリカで長年にわたって日本人を魅了してきた国です。ビジネス関係に変化があるとすれば、今まで以上に日本のノウハウを受け取り、技術、経験、資本がこの国に移って関係が強まっているということです。

2014年1月にマプトで行なわれたモザンビーク日本投資フォーラムには380名の政府関係者や民間企業が参加しましたが、商業的なパートナーシップを促進し、経済的な交流を強化することを目的としており、多くの日本企業がモザンビーク経済に強い関心を示しました。

これは日本の投資家が、例えばインフラ開発や輸送網のリスク改善など、民間部門と公共部門の両方における開発について、戦略的パートナーとしてモザンビークに関心を持っていることを示しています。同時にモザンビーク政府はビジネス環境と二国間経済関係の改善を約束しています。

日本企業にとってモザンビークの魅力とは

fishing 2 (1024x667)私見ですが、現在モザンビークに投資し、あるいはビジネスを開始しようとしている日本企業について考えると、現段階でモザンビークが日本企業にとって最も魅力的なのは、PPP(パブリック・プライベート・パートナーシップ)や、技術・ノウハウの移転によってモザンビーク市場に参入することでしょう。

一方で、モザンビークの民間企業と合弁事業の形で水産食品加工、バイオ燃料の生産などを行なっている日本企業もあります。また、商社は次々に現地事務所を開設しています。

日本のAppleMarkエネルギー企業はモザンビークの石油や天然ガス資源に注目しています。道路、鉄道、物流施設等の建への技術提供に興味を持つ日本企業もあります。

日本企業にとってのモザンビークの戦略的重要性は

コンサルティング会社のデロイトによれば、モザンビークはアフリカ諸国の中で最も成長している3つの国の一つです。アフリカ大陸は経済の面で今後ますます重要になります。

モザンビーク政府は経済・ビジネス環境の開発に取り組んでいます。モザンビークは東南アフリカ地域の重要マーケットに接しており、優越的で戦略的な位置にあります。あらゆる産業分野でビジネスチャンスに恵まれた国です。

モザンビークに招きMoatize coal (1024x685)たい特定の産業はありますか

モザンビークはアフリカ諸国の中でも最も開発ポテンシャルの高い国の一つです。水資源が豊富な上に、最大の資源は安価なエネルギー―石炭埋蔵量、水力発電能力、天然ガス埋蔵量です。2,500キロ以上にわたる海岸線があり、未開発の海洋資源に恵まれています。

 

Terminal de oleo vegetal porto demaputo (1024x659)モザンビークには金、宝石、チタン、石炭、天然ガスなど多くの鉱産資源があり、国際的な大企業がすでに投資し、ますます高い関心を示しています。農業潜在能力は高く、特に、肥沃な土壌が広がる北部地域は国全体の農業収入に大きく貢献しています。換金作物は砂糖、コプラ(乾燥したココヤシ)、カシューナッツ、紅茶、タバコです。

モザンビーク政府は観光を促進し、建設資材、農業、飲料、日用雑貨などの製造業への投資を増やし、さらに天然ガスの採掘・流通事業およびインフラの整備などを促進することを目指しています。

注目すべき現地企業はありますか?

producao da banana em boane (1024x683)企業の関心によりますが、おそらく特に、石油や天然ガスの発掘に関係している国営企業や民間企業への投資でしょう。いくつかの協力合意が両国の政府間で調印されていますが、そのうち二国間の投資協定が2013年に調印され昨年既に発効しています。

インフラ開発は特にお勧めできます。また、中小企業も歓迎しています。例えば、漁業、加工、風力発電、水処理などの分野で、既存の現地企業との合弁事業をお勧めします。

モザンビークでのビジネスに関心を持つ企業へのアドバイス

Train at Dondo, Sena line (1024x768)モザンビーク政府は外国からの投資を受け入れ、技術とインフラの開発、国内の雇用創出と人材育成、輸出の多様化と代替によって経済成長を促進することを目指しています。

CPI(投資促進センター)は事業登録、ライセンス、労働許可、在住許可等の取得、その他の関係機関との調整などで、海外および国内からの投資を支援しています。

CPIの役割は投資を呼び込むことであり、最初の窓口になります。モザンビークでビジネスを立ち上げようとする企業は、CPIの情報に基づいて信頼できるコンサルティング会社を活用することが大切です。会社を設立する決断の前に、統計的な経済情報を入手するなど、モザンビーク市場をよく研究するのがよいでしょう。

投資する事業者はモザンビークの制度に従わねばなりません。投資の法律・規則、税法、労働法、土地法、鉱物・石油産業関連の法律など、様々な産業分野や事業活動について基本的な法律や規則を知っておく必要があります。

会社の新設または買収において、特に既存の企業を買う場合には、事前に法的助言を受けることをお勧めします。CPIの法律家や、信頼できる法律事務所やコンサルティング会社から、資産や在住許可等に関する取引の合法性について支援を受けられます。

CPIは、モザンビークでのビジネス展開を目指す日本の投資家を歓迎します。

(写真提供:モザンビーク投資促進センター)