UNIDOと日本冷媒・環境保全機構が温暖化対策で提携
2018.04.18
国連工業開発機関(UNIDO)と日本冷媒・環境保全機構(JRECO)は、地球温暖化対策として気候変動への影響が少ない技術を冷蔵・空調関連産業に導入することで合意しました。
気温が高い国において、冷蔵庫やエアコンは贅沢品ではなく必需品になりつつあります。 2030年までに冷蔵・空調関連が世界の温室効果ガス排出量の13%を占め、気候変動に深刻な影響を与えると推定されています。
「地球温暖化を引き起こす物質の使用を削減しつつ、冷蔵・空調関連のエネルギー効率を高めていくためには、技術の進歩とイノベーションが不可欠です。急速に変化する技術仕様に適応するためには技術者の訓練も必要です」と、JRECOの作井正人専務理事は強調します。「JRECOはフッ素化化合物の安全な管理・使用に向けて技術移転を推進するため、関連する国内各所や政府関係者と密接に連携しています。」
過去30年にわたり、モントリオール議定書の下でオゾン層破壊物質の使用を段階的に削減するために、冷暖房システムに使用される冷媒が置き換えられてきました。しかし、代替冷媒として頻繁に使用されるハイドロフルオロカーボン(HFC)は強力な温室効果ガスであり、地球温暖化に深刻な影響を与える可能性があります。2019年1月に発効するモントリオール議定書キガリ改正では、今後30年間でHFCの生産と消費を80%削減する予定です。段階的削減計画では、2050年までに二酸化炭素800億トン以上に相当する排出を防ぐことが見込まれています。
UNIDOとJRECOは、経済産業省の立会いのもと、日本政府の拠出で実施される技術協力プロジェクトの案件形成に向けて合意をしました。この合意は、モントリオール議定書の実施のための多国間基金(オゾン層保護基金)において、UNIDOと日本との二者間協力を強化する支援スキームの一つとなります。
「日本の冷蔵・空調産業は、有害な冷媒を地球温暖化へのインパクトが低い代替物質に速やかに置き換えるために必要な貴重な知見・ノウハウを有しています」と、UNIDOモントリオール議定書課のオーレ・ニールセン課長は述べます。 「JRECOは、日本からUNIDOと協働する国々への技術移転を促す触媒的な役割を果たし、それらの国々では代替冷媒を使用して、よりエネルギー効率が高く安全な冷蔵・空調製品を製造することができるようになるでしょう」
UNIDOは、エネルギー効率の向上や低炭素・低排出技術の推進を通じて、各国が国際的な枠組みで規定された義務を遵守できるように支援しています。
詳しくはこちらを参照下さい(UNIDOウィーン本部サイト:英語)