メビオールの「アイメック」がイタリアで国際賞を受賞
2019.06.03
UNIDO ITPOイタリアが主催する第3回インターナショナル・アワード「アグリビジネスにおける革新的なアイデアとテクノロジー」で、日本の中小企業メビオール株式会社(本社・神奈川県)の技術「アイメック(Imec Film Farming)」が最高の総合部門で受賞しました。同賞は、途上国が直面する課題に対して革新的な技術を持つ企業・団体に贈られるものです。
メビオールは、ITPO東京が持続的な産業開発のために日本企業の技術を紹介する「STePP(ステップ=サステナブル技術普及プラットフォーム)」の登録企業で、今回、ITPO東京の紹介で同賞に応募していました。ITPOイタリアとITPO東京が連携し、日本企業の優れた技術を開発途上国に紹介する事例となりました。両ITPOは今後も連携を強化していきます。
アイメックは、ハイドロゲル膜と呼ばれる、水と養分のみを通す薄いフィルムを利用し、水不足の砂漠や塩害地域といった環境での農業を可能にする技術。吸い難いハイドロゲル中の水を吸おうとする際、植物が沢山の糖分、アミノ酸等を作り出すため、高糖度と高栄養価の農作物に育つという利点もあります。
イタリアで5月中旬に開かれた授賞式は、3日間にわたるEXCO2019のオープニングの一環で行われ、計8の企業や団体が受賞しました。今年は女性、若者、食料と気候変動、生物多様性、破壊的イノベーション等のカテゴリーが設定され、スタートアップや大学、インキュベーター、研究・技術移転センター、協会およびNGOなど、5大陸、100以上の国から440件もの応募がありました。審査は、CNR(国立研究評議会)、ワーゲニンゲン大学等を含む審査委員会によって行われました。
▽受賞した技術・アイデア(カテゴリー別)
カテゴリー | 技術名 |
内容 |
総合 | Imec Film Farming – JAPAN | 水と土壌の使用量が少ない植物の栽培を可能にする、特定のハイドロゲルで作られたフィルム |
総合 | Aflazero – ITALY | 収穫後のオゾンベースの処理技術で、穀物や他の作物のアフラトキシンによる汚染を98%除去 |
総合 | AgriProtein – UK / SOUTH AFRICA | 有機廃棄物のバイオ変換プロセスを通してたんぱく質を生産する昆虫を利用した革新的技術 |
女性 | Atmonia – ICELAND | 空気、水、再生可能エネルギーのみから得られるゼロ炭素の窒素肥料 |
若者(U-35) | phos-FATE – ITALY | リサイクルされたリン酸に富んだ漁業副産物から作られた持続可能なリンベースの肥料を考案したCNRリサーチャーによって開発されたプロジェクト |
アグロフード&気候変動 | Transforming lands, transforming lives – BANGLADESH | 気候変動レジリエンスの最良の方法を提示。「砂州での農作物」を通じて生計管理のためのトレーニングと技術を提供しながら、洪水地帯の農家や避難民をサポート |
アグロフード&生物多様性 | CAMGEW – CAMEROON | 養蜂に地元コミュニティが直接関与することで、山火災から森林を守るための解決策としての養蜂業に着目 |
特別賞「破壊的イノベーション」 | Farmcrowdy – NIGERIA | 農業主と農家の繋がりに焦点を当てたナイジェリア最大のデジタル農業プラットフォーム |
EXCO2019に関する情報は、専用のウェブサイトwww.exco2019.comまで。