UNIDO東京事務所は2019年1月10日(木)~11日(金)、政策研究大学院大学(GRIPS)から大野健一教授を招き、在京アフリカ外交団(ADC)を対象にした産業政策に関するワークショップを開催しました。2日間合計で、19の大使館より6名の大使を含む39名が参加しました。
プログラムの1日目は、日本の産業政策の歴史を振り返りながら、なぜ日本が急速な産業成長を遂げられたのかを説明しました。江戸時代後期、明治時代の社会構造にふれ、日本がどのように西欧諸国から当時の技術を学び、それを高等工業教育などを通じて国内に普及させていったのかを紹介しました。また、’ものづくり精神’、’カイゼン’、’5S’、など日本で発展した生産性を向上させるためのマインドや方法を紹介し、これらの取組みが日本以外でもしっかりと導入・活用されていることを強調しました。
2日目のプログラムでは、アジア、アフリカ諸国の産業政策を紹介しました。前半では、開発途上国や新興国が産業化を推し進めるにあたり、海外からの直接投資を促し、そこから技術を学ぶことが大切であると述べました。後半では、ご自身が参加されたエチオピア、ベトナムでの経験を交えながら、どのように産業政策対話を進め、実行していくべきかという、より実践的な内容になりました。
質疑応答では参加者から多くの質問が寄せられ、発表への関心の高さが伺えました。アフリカ同様に植民地政策、国民性が違うアジアの国々も産業化に成功した例を用い、産業政策対話を進める上で歴史や多様性を考慮するのは重要ではあるが必ずしも必要ではない、また、アフリカから日本に留学した優秀な人材(ABEイニシアティブ)が高い給与を求め自国から流出する現象は、アフリカに限らず世界各国でおきていると説明し、そのような優秀な人材を確保するための政策を立てなければいけない、など熱心な議論が交わされました。
概要
日 時: 2019年1月10日(木)~11日(金)
会 場: 国連大学 アネックス・ホール
テーマ: 産業政策の策定
講演者: 政策研究大学院大学(GRIPS)大野健一 教授
主 催: UNIDO東京事務所
言 語: 英語
参加大使館
アルジェリア民主人民共和国、ウガンダ共和国、エジプト・アラブ共和国、エリトリア国、カメルーン共和国、ザンビア共和国、ジブチ共和国、ジンバブエ共和国、タンザニア連合共和国、チュニジア共和国、トーゴ共和国、ナイジェリア連邦共和国、ブルキナファソ、ベナン共和国、マダガスカル共和国、マラウイ共和国、マリ共和国、南アフリカ共和国、モザンビーク共和国