UNIDO東京事務所は、2014年8月18日から28日まで、サワン・セノ経済特区庁部長(投資促進・法務担当)のパノンコーン・ダララッサミー氏を投資促進専門官として招聘しました。
プロフィール:
パノンコーン氏は、旧間組(ラオス)、ラオス計画投資委員会を経て、2007年1月より、サワン・セノ経済特区庁で投資促進・法務担当の部長を務めています。
滞在中の主な活動:
滞在中は、ラオスでのビジネスに関心を持つ日本企業と個別に面談し、投資相談を行いました。木材加工や農産物加工、排水処理、廃棄物処理などの分野で日本企業の高い関心が示されました。
ラオスでのビジネスチャンス:
ラオスは広大な国土と豊富な資源を有しています。特に鉱物資源(金、銅、ボーキサイトなど)や森林資源が豊富です。また、数多くの水力発電プロジェクトが稼動・計画されており、タイをはじめ隣国に電力が輸出されています。電力は豊富で安定供給され、料金もASEAN内で最も低い水準です。
タイでの人件費が上昇していることから、同国で操業する日本企業を中心として、ラオスへの関心が高まっています。ラオスは仏教国で、文化・習慣等もタイと似ており、タイ語もよく理解されるため、タイでの生産の一部をラオスに移管するケースが増えています。
サワン・セノ経済特区の状況:
サワン・セノ経済特区はラオス南部、ベトナムとタイを結ぶ主要幹線上にあり、メコン川を挟んでタイの対岸に位置しています。ベトナム・ダナン港まで450キロ、バンコクまで670キロと東西回廊の要衝にあり、既に47の企業が同特区への投資を決めています。日本からもニコン、トヨタ紡織、アデランスを含む8社が既に操業、あるいは工場建設に着手しています。
サワン・セノ経済特区では、インフラが整備され、進出にあたっては同特区庁によるワンストップサービスにより、投資の手続きも簡素化されています。最長99年間の産業用地リース、2~10年の法人税免除、付加価値税や輸入関税の免除などに加え、法人税免税期間後の税率も8%ないし10%と低く抑えられています。
滞在の感想と日本の方々へのメッセージ:
パノンコーン氏は、「もっと多くに日本企業の方にラオスのビジネスチャンスについて知って欲しい。ラオスは豊富な資源がありながら、生産・加工技術が未熟なため、海外市場にアクセスすることが難しい状況」と話しています。「特に、木材資源、鉱物資源、農産物資源の加工分野で是非、日本企業に協力して欲しい。ラオスにも日本企業と対等なパートナーシップを組めるだけの資本力を持った企業が出始めていますから」と説明しています。
「まずは、ラオスにお越しください。日本からの直行便はありませんが、首都のビエンチャンもサワン・セノ経済特区のあるサワンナケートもバンコクからわずか1時間の距離です。治安もよく、人々は穏やかです。食材も豊富で、ラオスの食事はきっと日本人の好みに合うと思います。皆様のお越しをお待ちしています」