6月29、30日、7月1、6、7、8日の計6日間、第3回 日本・アフリカ ビジネスフォーラム(JABF2021)が開催され、Day3(「アフリカの工業化」セッション:7月1日)にUNIDO東京事務所所長の安永が登壇しました。
(主催:アフリカ開発銀行(AfDB)・在京アフリカ外交団(ADC)/共催:JETRO・JICA・UNDP・UNIDO)
本セッションでは、田原康生総務省国際戦略局長、ゼファニー・ニヨンクル ルワンダ開発庁副長官が開会挨拶を行い、新型コロナウイルスの状況下で、デジタル技術を活用した工業化を促進することの必要性や、日本からの技術移転を更に促進しアフリカの産業構造変革を加速させていくことの重要性が強調されました。
パネルディスカッションでは、EYストラテジー・アンド・コンサルティング パートナーの小林暢子氏がモデレーターを務め、UNIDO東京事務所所長の安永も登壇し、デジタル技術活用に向けた活発な議論が行われました。
Smart Africa技術イノベーション局ディレクターのディディエ・ヌクリキイムフラ氏は、アフリカの32か国が既に加盟し、アフリカ連合も推進するSmart Africa Allianceを例に、アフリカ全土でデジタル化の重要性が益々認識されていることを紹介しました。RxAll社CEOのアデバヨ・アロンゲ氏も、半導体メーカーなどの例を用いて、日本の高度な技術を活用することでデジタル革命を促進していきたいと述べました。前川健太郎NECグローバル事業推進本部本部長は、南アフリカやインドでの事例から、行政・民間サービスのデジタル化の基盤として同社が取り組んでいる「生体認証による国民ID」が有効であることを説明しました。
UNIDO東京事務所の安永所長は、工業化とデジタル化を同時に促進しなければいけないアフリカの特殊性を踏まえた上で、デジタルとアナログ(デジタル化できない部分・作業)を組み合わせることの重要性を説明。デジタル化はスケールアップによりビジネス拡大を容易にするが、リアルワールドのアナログにも同様に目を向ける必要があることを強調しました。また、デジタルとアナログを組み合わせるために、同事務所が運営するサステイナブル技術普及プラットフォーム「STePP」などを活用してビジネスマッチングの機会をより提供していくことや、アフリカの研究開発能力強化に向けて、科学技術の知識やアイデアを具現化するスキルを、教育により養っていくことの必要性を説明しました。
アフリカでビジネスを行う日本企業の課題として、ディディエ・ヌクリキイムフラ氏からは、地元の本質的なニーズや文化を理解することが挙げられ、アデバヨ・アロンゲ氏も、アフリカ外で通用した技術・モノにこだわるのではなく、デジタルとアナログを組み合わせながら、アフリカの現場に即したものにしなければいけないと付け加えました。北原秀文ソフトバンク株式会社グローバル事業戦略本部本部長は、アフリカの人口の60.7%がインターネットへのアクセスを持っていない「デジタルデバイド」の問題があることを説明した上で、現地のニーズに合わせて、非地上システムからの通信サービス(宇宙空間や成層圏からの通信ネットワーク)を選択利用できるようにする、同社の取り組みを紹介しました。
フォーラム概要
日 時: 2021年6月29、30日、7月1、6、7、8日(6日間)
場 所: オンライン開催 (ハイブリッド形式。一部登壇者のみ会場から参加。)
主 催: アフリカ開発銀行アジア代表事務所
共 催: 日本貿易振興機構(JETRO)、 国際協力機構(JICA)、 国連開発計画(UNDP) 、 国連工業開発機関(UNIDO)
協 力: 在京アフリカ外交団(ADC)
後 援: 財務省、総務省、外務省、農林水産省、経済産業省、国土交通省、日本経済団体連合会、経済同友会、
アフリカ開発協会(AFRECO)、アフリカ協会、アフリカビジネス協議会、
アフリカビジネス振興サポートネットワーク(AB-NET)
言 語: 日本語・英語・フランス語(同時通訳)