UNIDO東京事務所は、2022年2月17日（木）、スリランカ投資委員会（BOI）、駐日スリランカ大使館とともに、オンラインにて「スリランカ投資セミナー」を開催しました。

主催者による開会・歓迎挨拶に続き、スリランカ投資委員会（BOI）の Prasanjith Wijayatilake 局長がスリランカ投資の利点及び最新のビジネス機会について紹介しました。2つのコンテナ港、3つの国際空港を有するスリランカは南アジアにおけるトランシップのハブであり、英語を話す、順応性の高い人材、及び南アジアから東アフリカに至る21憶人の市場へのアクセスを有し、外国資本に対する制限もなく安心して投資を行える国であると述べました。また、製造業、ICT、サービス・観光、農業・食品加工、建設・インフラの5分野を今後も成長が期待できるセクターとして紹介したほか、ハンバントタ港に隣接し、医薬品、医療機器、化粧品などの製造に適した製薬特別区、カトナヤケ国際空港から55キロ、コロンボ港から84キロに位置し、化学品、機械、金属製品、輸送機器などの製造に適したビンギリヤ輸出加工区、主に食品加工業の誘致を目指すミリジャウィーラ輸出加工区などへの投資を呼びかけました。

シンガポールとスリランカに拠点を持ち、精密プレス用金型の製造販売を行う、ランカプレシジョン・エンジニアリング社代表取締役社長の石橋恵子氏は、講演の中でスリランカ投資の強みは人材とインドとの自由貿易協定（FTA）であると述べました。操業28年を迎える同社での経営を通して、スリランカには職人気質の人材や優秀な大卒者が多く、チームプレーが得意で離職率も低いので技術の定着が容易であると述べ、コロナ禍におて機械のメンテナンスもスイスの機械製造企業とリモートで行っていると紹介しました。FTAが利用できることでインドの顧客は輸入税なしで購入できることもスリランカに工場を構える上での利点であると強調しました。スリランカは労働集約的な業種ではなく、高い付加価値を付けられる分野の業種に向いており、同国への注目度が高まることに期待を寄せました。

一般財団法人海外産業人材育成協会（AOTS）の和田恭子氏からは、人材スキームに関わる国庫補助事業の紹介があり、質疑応答では、CO2削減のための具体的な施策、税制上の優遇措置、対外債務などについての質問が取り上げられました。

セミナーでの講演資料につきましては、下記プログラムをご参照ください。

概　要

日　時：       2022年2月17日（木） 14:00-15:10（日本時間） ※ライブ配信のみ
実施方法：    オンライン開催
主　催：　    UNIDO東京事務所、スリランカ投資委員会（BOI）、駐日スリランカ大使館
言　語：       日英同時通訳
参加費：       無料

＊セミナー講演資料は、下記プログラムの講演タイトルからご覧いただけます。
プログラム（敬称略）
14:00-14:05  開会挨拶：　UNIDO東京事務所 所長　安永 裕幸 
14:05-14:10  歓迎挨拶：　駐日スリランカ大使　H.E. Mr. Sanjiv Gunasekara      
14:10-14:15  挨拶：    スリランカ投資委員会（BOI） 長官　H.E. Mr. Raja Edirisuriya
14:15-14:35  講演：  「スリランカへの投資機会」
　　　　　　　　　　　 BOI 投資促進局長　Mr. Prasanjith Wijayatilake
14:35-14-50  講演：  「スリランカへの日系企業進出事例」
　　　　　　               Lanka Precision Engineering 社　代表取締役社長　石橋 恵子
14:50-14:55  講演：  「AOTS国庫補助事業のご紹介」
                                一般財団法人海外産業人材育成協会（AOTS）研修・派遣業務グループ 和田 恭子
                          　　 * 制度詳細につきましては、下記サイトをご参照ください：
　　　　　　　　　　　　https://www.aots.jp/hrd/technology-transfer/
14:55-15:10  質疑応答