UNIDO東京事務所は、2022年11月24日、駐日ウズベキスタン大使館とともに、セミナー「ウズベキスタン・アンディジャン州のビジネスと観光のポテンシャル」を開催しました。
セミナーには、アンディジャン州より知事を始めとする7名が参加しました。主催者による開会挨拶に続いて基調講演を行った、シュフラット・アブドゥラフモノフ知事は、アンディジャン州について、シルクロード沿いの都市であり、ウズベキスタン国土の1%の土地に人口10%が集中する人口密集地であると紹介しました。果物、野菜を始めとする農業が盛んで、綿花栽培や繊維産業、さらには自動車の生産でも知られていると述べました。資源が豊富な地域でもあり、近年投資環境の整備が進んでいることから、海外の投資家がアンディジャン州に注目していると述べ、今後日本からの投資に期待を寄せました。
ジェトロの高橋 淳タシケント事務所長は、アンディジャン州の経済指標や産業の状況について現地訪問時の写真を紹介しながら講演を行いました。同州の代表的な産業である農業や綿繊維産業の他、年間30万台の生産能力を持ち、同州納税額1位のウズオート・アサカ工場で組み立てられた乗用車は近隣諸国にも輸出されており、自動車部品メーカーの存在も多数あると紹介しました。海外民間投資の動向としては、ドイツ、トルコ、中国からのものが多く、2019年に設置された自由経済区には、インドのジェネリック大手による5千万ドルの新規投資も含め、既に18社が入居を決めていると述べました。
ボティルジョン・ハムラエフ副知事は、アンディジャン州の経済概況と投資機会について講演を行いました。同州からの輸出額12億米ドルのうち、主要なものは繊維製品(60%)、自動車関連(32%)であり、輸出先としてはキルギス、ロシア、中国、カザフスタン、トルコが上位5カ国であると紹介しました。外国投資については、2022年の総投資額は4億米ドルで、421の合弁事業が設立されたこと、中国、ドイツ、トルコ、ロシアからの投資が多かったと説明しました。また、4,000ヘクタールの土地に40万人の居住区を整備する「ニュー・アンディジャン」事業の着工が始まっており、日本企業からも同事業への参入を期待すると述べました。さらに、「アンディジャン工業ハブ」自由経済区や繊維自由経済区での製造事業、製薬などの分野にもポテンシャルがあると強調しました。
質疑応答では、アンディジャン州へのアクセス、観光資源、水処理、ゴミ収集・処理、現地パートナーの探し方などの質問に対して、ハムラエフ副知事が回答しました。その後アンディジャン州の訪日メンバーとセミナー参加者との間で活発なネットワーキングが行われた他、アンディジャン州の繊維製品や工芸品の展示、ドライフルーツやナッツの試食も行われました。
概 要
日 時: 2022年11月24日(木)10:30-12:10
場 所: AP品川アネックス AB会議室
(〒108-0074 東京都港区高輪3-23-17 品川センタービルディング 1F)
主 催: UNIDO東京事務所、駐日ウズベキスタン大使館
後 援: 一般財団法人海外投融資情報財団
言 語: 日本語・ウズベク語(逐次通訳)
参加費: 無料
*セミナー講演資料は、下記プログラムの講演タイトルからご覧いただけます。
プログラム
10:30-10:35 開会挨拶
UNIDO東京事務所 村上秀樹 次長
10:35-10:40 基調講演
シュフラット・アブドゥラフモノフ アンディジャン州知事
10:40-11:10 歓迎挨拶
駐日ウズベキスタン大使館 ジャハンギル トゥルグノフ 参事官
11:10-11:20 講演「アンディジャン州経済概況」
高橋 淳 ジェトロ・タシケント事務所長
11:20-12:00 講演「アンディジャン州の経済概況と投資機会」
ボティルジョン・ハムラエフ アンディジャン州副知事
12:00-12:10 質疑応答
12:10- 閉会、引き続きネットワーキング