UNIDO東京事務所は、2023年2月16日、バングラデシュ・ハイテクパーク庁（BHTPA）、駐日バングラデシュ大使館とともに、セミナー「バングラデシュ・ハイテクパークへの投資機会」をオンラインにて開催しました。

開会挨拶で、シャハブッディン・アーメド駐日バングラデシュ大使は、日本からバングラデシュへの投資や二国間貿易が増加しているほか、熟練人材の供給という面でも関係が深まっており、日本在住のバングラデシュ人が2万1千人を超え、とりわけ同国ICT部門の急成長を背景に、現在1千人以上のエンジニアが日本で活躍していると紹介しました。

バングラデシュ・ハイテクパーク庁（BHTPA）マネージングディレクターのカンドケル・アジズル・イスラム氏は、計画中のものも含めバングラデシュ各地109か所にハイテクパークを設置、うち稼働中の28か所のパークでは、190のIT/ITES、ハードウェア製造、研究開発センターと151のインキュベーションが事業を開始していると紹介しました。また、ハイテクパーク入居企業には10年、パーク開発業者には12年の法人税が免除されるほか、駐在員に対し3年間の所得税免除、資本財輸入時の関税免除、光熱費等に対する付加価値税免除、利益の100％本国送金を含む様々なインセンティブが供与されると述べました。

IT分野での事業をバングラデシュで行う株式会社BJITの堀川雅紀代表取締役社長は、人口、経済成長率、英語のスキルに加えて、IT産業が急成長しているバングラデシュはビジネスを行う上で非常にポテンシャルが高いと述べました。同国ではITエンジニアの人気が高く、年間10万人のIT人材が輩出され、高倍率の優秀な人材を雇用できることは大きなメリットであると強調し、BJIT社では、2030年の1,000名から、2026年に2,500名、2030年には1万人雇用拡大を目指していると紹介しました。

ジェトロ・ダッカ事務所の安藤裕二所長は、日系企業のバングラデシュ進出について、進出企業数が過去10年で3倍の338社へと増加、直近では建設業を中心に進出が相次いでおり、IT企業からの注目度も増していると述べました。人件費の上昇や通関手続きの遅延、為替変動などの課題があるものの、日本企業にとって、同国の優良企業との連携、高付加価値製品の調達、安定した内需向けビジネス、高度IT人材の活用などに商機があると述べました。

駐日バングラデシュ大使館のアリフル・ホック公使からは、大使館が2022年度に年間11件のイベントを開催するなど両国間の貿易や投資の促進に向けて様々なプロモーション活動を行っており、今後も引き続き関連諸機関と連携の上、支援サービスを行っていきたいとの報告がありました。

主賓としてセミナーに参加した、ナエド・アハメド・ポロク ICT担当大臣は、バングラデシュのデジタル産業について、デジタル金融市場が2012年から500%の成長を遂げ31憶米ドルとなったこと、モバイル製造市場が15憶米ドル、家電市場も24憶米ドルと近年急成長していることを紹介しました。バングラデシュ政府は、2041年の「スマート・バングラデシュ」ビジョンに向けて、さらなるデジタル化を推進すると述べ、日本企業に向けて今こそバングラデシュへの投資を検討して欲しいと挨拶を締め括りました。

概　要

日  時：　  2023年2月16日（木）15:00-16:00（日本時間）
実施方法： オンライン開催
主　催：　 UNIDO東京事務所、バングラデシュ・ハイテクパーク庁（BHTPA）、駐日バングラデシュ大使館
言　語：    日英同時通訳
参加費：    無料

＊セミナー講演資料は、下記プログラムの講演タイトルからご覧いただけます。

プログラム

開会挨拶
駐日バングラデシュ大使館　シャハブッディン・アーメド 特命全権大使閣下

基調講演「ハイテクパークへの投資機会」　　　　　　　
バングラデシュ・ハイテクパーク庁（BHTPA）カンドケル・アジズル・イスラム マネージングディレクター　

講演「バングラデシュでのビジネス経験」　　
株式会社BJIT 堀川 雅紀 代表取締役社長

講演「バングラデシュの最新ビジネス環境」
ジェトロダッカ事務所 安藤 裕二 所長
　　　　　　　　
講演「バングラデシュ大使館による日本の投資家支援について」
駐日バングラデシュ大使館　アリフル・ホック公使（商務）　　　　　　　

質疑応答

主賓による閉会挨拶
バングラデシュ人民共和国政府 ズナエド・アハメド・ポロク ICT担当大臣（国会議員）