UNIDO東京事務所は6月29日、ネパール投資庁長官のスシル・バッタ氏の来日に合わせ、駐日ネパール大使館や日本貿易振興機構(JETRO)と、「ネパール投資セミナー」を国連大学で開催しました。本セミナーではネパールの投資環境や投資ニーズについて紹介があったほか、現地で活躍する日本企業の事例も紹介され、136人が参加しました。
冒頭、UNIDO東京事務所所長の足立文緒氏と、駐日ネパール大使のドゥルガ・バハドゥール・スベディ氏が歓迎の挨拶を述べた後、ネパール連邦議会下院議員のアルジュ・ラナ・デウバ氏から基調講演がありました。デウバ氏は、ネパールの安定した平和や民主主義に加え、豊かな自然資源がもたらす水力発電や観光地、若い労働力などをアピールし、「日本はネパールにとって最も重要な開発パートナー。あらゆる部門において海外からの投資を歓迎する」と強調しました。
ネパール投資庁長官のスシル・バッタ氏は、ネパールで現在38件の直接投資(95億ドル)が承認されていると報告。日本企業に投資チャンスがある分野として、エネルギー、交通、観光、農業、製造、ICT、健康、鉄鋼、教育、金融などを挙げ、「日本企業を全面的にサポートする」と表明しました。
続いて、国際協力機構(JICA)南アジア部部長の伊藤晃之氏は、JICAが「民間セクター開発」をネパールでの重点分野として定め、海外からの投資を促進するアドバイザーをネパール投資庁に派遣し、産業人材育成に取り組んでいることを紹介しました。ネパール投資庁に派遣されているJICA外国投資アドバイザーの三島一夫氏からもビデオメッセージが寄せられ、日本企業の投資事例として、製薬会社が工場や倉庫を構えてスキンケア商品を生産しているケースや、建設会社が水力発電を建設しているケースなどを紹介ました。
日本ケーブル株式会社アジア市場開拓室室長の寄主親儀氏からは、ネパールの観光都市「ポカラ」にケーブルカーを設置したプロジェクトの紹介があり、「近くに国際空港が完成し、海外からさらなる観光客を見込んでいる」と述べました。
最後に、JETRO理事の仲條一哉氏が「ネパールはほぼ全ての分野で100%の外国資本が認められており、外資が参入しやすい。今後もUNIDOやJICAなどと協力したい」と述べ、セミナーを締めくくりました。最後に登壇者に記念品が贈呈され、続いてセミナー参加者と講演者との間で活発な交流会が行われました。
概要
日 時: 2023年6月29日(木)
セミナー: 14:30-16:05
ネットワーキング: 16:05-17:00
会 場: 国連大学本部ビル 5階 エリザベス・ローズ国際会議場(東京都渋谷区神宮前5-53-70 )
主 催: UNIDO東京事務所、駐日ネパール大使館
共 催: 日本貿易振興機構(ジェトロ)
後 援: 国際協力機構(JICA)
言 語: 日英同時通訳
参加費: 無料
プログラム
14:30-14:35 開会挨拶
UNIDO東京事務所 足立 文緒 所長
14:35-14:40 歓迎挨拶
ドゥルガ・バハドゥール・スベディ 駐日ネパール大使
14:40-14:55 基調講演
アルジュ・ラナ・デウバ ネパール連邦議会下院議員
14:55-15:15 講演「ネパールの投資機会」
ネパール投資庁 スシル・バッタ 長官
15:15-15:30 国際協力機構(JICA)による講演
「ネパールにおけるJICAの取組み」南アジア部 伊藤 晃之 部長
「ビデオメッセージ」三島 一夫 外国投資アドバイザー
15:30-15:45 日本企業によるビジネス経験談
「繁栄に向かうケーブルカーの旅: ネパールのアンナプルナ・ケーブルカー」
日本ケーブル株式会社 アジア市場開拓室 寄主 親儀 室長
15:45-15:55 質疑応答
15:55-16:00 閉会挨拶
日本貿易振興機構(ジェトロ)仲條 一哉 理事
16:00-16:05 ネパール大使からの記念品贈呈
16:05 閉会
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16:05-17:00 ネットワーキング