2017年7月、54年ぶりに米国との外交関係を再開したキューバ。以来、キューバの経済成長は加速。同国は、海外からの直接投資の確保にも力を注いでいます。
昨年に引き続き、UNIDO東京事務所は、キューバ共和国商業会議所の担当者を招聘。今年は、ナターシャ・グマ・ガルシア法務部長が来日し、東京のみならず、京都、大阪、広島を訪問し、キューバへの投資を精力的に呼びかけました。
駐日キューバ共和国大使館で開催されたキューバ投資促進セミナーには、30名を超える、主に中小企業を代表するビジネスパーソンが参加。キューバ共和国大使館 商務参事官マイレン・リベロ氏は冒頭の挨拶で、国内における20%を超える貯蓄率を達成するためには、直接投資が不可欠である事を強調しました。
マリエル開発特別区のビデオ上映に続き、ガルシア氏がキューバにおける投資環境のプレゼンテーションを行い、現在の経済モデルからの脱却および現在のGDP成長率(2〜3%)を目標の5%に引き上げるには、直接投資は不可欠であるとした上で、キューバのビジネスレベルが国際基準に達していること、直接投資に伴う税の優遇、投資家に対する補償についても説明しました。また、首都ハバナに近郊で開発が進むマリエル開発特別区でのインフラ分野における日本企業の参入に期待を寄せました。
一方で、キューバ国民を対象とした医療および教育はすべて無償で提供されているため、この分野への外国投資は受け入れていないものの、それ以外のすべてのセクターにポテンシャルがある事、なによりもウィン・ウィンの関係を築く事が重要であると強調。また、日本はアジア諸国の中では、キューバとの貿易で第3位であっても、世界ではトップ10に入らない事から、ビジネスのポテンシャルがまだあると、今後の展開に意欲を示しました。
プレゼンテーション終了後の質疑応答も活発に行われ、キューバへの関心の高さが伺えました。最後に挨拶に立ったカルロス・M・ペレイラ駐日キューバ大使は、現在、日本企業のキューバにおける駐在事務所が11社となっている事に触れ、キューバにおける日本のプレゼンスが高まっていると述べました。また、日本の中小企業にもキューバをビジネスチャンスとしてもらいたいと、日本企業による積極的なアプローチを求めました。
概要
日 時: 2017年3月16日(木)14:00~16:30
会 場: キューバ共和国大使館 2階ホール
主 催: 駐日キューバ共和国大使館、UNIDO東京事務所