第4回目を迎えた、トルコ(イズミール)投資セミナー。100名ほどの参加者が国連大学内の国際会議場に集い、来日したイズミール開発公社(İZKA)、エーゲ海フリーゾーン(ESBAŞ)の担当者からの発表に熱心に耳を傾けていました。
開会挨拶には、UNIDO東京事務所の安永裕幸所長。参加者を歓迎し、トルコの経済的ポテンシャルや若年人口といった、トルコでのビジネス展開の魅力について触れました。
トルコ共和国首相府投資促進機関(ISPAT)、シニア・アドバイザーの青木雄一氏は、トルコへの投資企業数および額が、着実に増えていると強調。一方、トルコに進出している日本企業が220社程度であると述べ、高い成長率を誇り最近新しく投資優遇策を導入しているトルコへの日本企業による投資に、大きく期待すると話しました。
来日したイズミール開発公社(İZKA)、投資スペシャリストのハリット・ドゥラン氏は、まずはビデオでイズミールを紹介。8500年の歴史を持つ、トルコ三大都市のうちのひとつ、イズミール。古代遺跡も未だ残る美しい街は、温暖な気候にも恵まれ、食も豊富。「トルコ内でも第一の生活水準を誇る」と、ドゥラン氏は語りました。紹介ビデオからは、イズミールが商業的かつ観光要素も溢れる街である事が伝わってきました。「トルコ全体の10%の商業的生産量を担う」イズミールは、国内だけでなく、28カ国、70の街と直航便でつながっており、欧州から極東アジアへ広がる、ハブとしての役割を持つことも、その魅力であると、ドゥラン氏はビジネスの利点を強調しました。また、近年増加している数々の日本企業の進出事例についても紹介し、日本からの投資のポテンシャルは大きいと述べました。
同じく来日した、エーゲ海フリーゾーン(ESBAŞ)、マーケティング&リーシングマネージャーのゴクテュルク・アルトゥンバシュ氏は、免税を含めた、フリーゾーンにおける優遇措置を紹介。国内18カ所のフリーゾーンのうちのひとつであるESBAŞは、1990年に開設以来、展開を続け、現在は176の企業の拠点地となっています。日本企業では、ピジョンが生産拠点を展開。アルトゥンバシュ氏は、「様々な分野のビジネスにESBAŞに拠点を持っていただきたいと考えています。また、ハイテクなど、付加価値の高いものの生産能力を持つビジネスも誘致したいと考えており、こうした分野でも、日本企業に期待しています」と述べました。
質疑応答では、「1対5」ルール(海外籍の従業員1名に対して、トルコ籍の従業員5名の雇用)とその例外について議論される一方で、トルコと日本が文化的に共有する点も多いことから、ビジネスの連携から生み出されるものは多い、という意見もありました。また、具体的に、ヘルスケア産業および誘致活動に対するアプローチについての質問には、イズミールでもヘルスケアは重要分野であると、来日者たちからのコメント。また、過去2〜3年の間で、日本からの問い合わせは増えており、日本のグローバル企業もイズミールへの拠点設置の検討を進めているとの話が共有されました。
最後に登壇したのは、一般財団法人中東協力センター、常務理事の井上裕氏。トルコから遠く、トルコの文化や環境にあまりなじみの無い日本にとっては、まずはトルコを知ることが重要なのでないかと提起し、閉会の挨拶としました。
概要
名称: トルコ(イズミール)投資セミナー
日時: 2018年6月19日(火)13:30~15:15
会場: 国際連合大学本部 エリザベス・ローズ 国際会議場(5階)
主催: UNIDO東京事務所、一般財団法人中東協力センター(JCCME)、
イズミール開発公社(İZKA)
後援: 駐日トルコ共和国大使館、トルコ共和国首相府投資促進機関(ISPAT)、
日本・トルコ協会、日本貿易振興機構(JETRO)
登壇資料
◆トルコの投資環境・投資優遇制度(ISPAT)
◆イズミールのビジネス環境と投資機会(İZKA)
◆トルコ随一の投資先:エーゲ海フリーゾーン(ESBAŞ)
◆イズミール紹介動画
◆エーゲ海フリーゾーン紹介動画
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UNIDO東京事務所(担当:前田)
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