2016年12月2日(金)、UNIDO東京事務所は、途上国大使館員を対象とした三菱ふそうトラック・バス株式会社への視察プログラムを開催。17の在京大使館が参加しました。
師走の午後。バスに乗り込んだのは、17の在京大使館を代表する20名による外交団。快晴の元、バスは一路、三菱ふそうトラック・バス株式会社川崎製作所・技術センターへ向かいました。
今年創業75周年を迎えた三菱ふそうトラック・バス株式会社は、世界最大のトラックメーカー、ダイムラートラックの一員。同社川崎製作所・技術センターは、三菱ふそう最大のトラック工場で、日本国内および輸出市場向けの小型・中型・大型トラックを製造しています。
外交団を迎えたのは、川崎市、三菱ふそうトラック・バス株式会社、メルセデス・ベンツ・ジャパン、ダイムラーAG東京事務所の方々。各部門の代表によるプレゼンテーションを受け、外交団を代表して感謝を述べたガブリエル・ドゥケ駐日コロンビア共和国大使は、「川崎市のコンピテンス、また環境配慮への取り組みを知る機会にもなった」とコメント。また、チンギス・アイダルベコフ駐日キルギス大使は、「(三菱ふそうトラック・バス株式会社による)取り組みは、日本の工業技術のモデルである」と述べました。
その後、外交団は、約600メートルにおよぶトラック・バス工場ラインを視察。2014年にリニューアルを終えた建物の中では、現在、1時間に小型は22.5台、中型・大型は8.6台、製造されています。視察中も、作業はダイナミックかつスピーディーに進行。前半、あらかじめ1台分の部品を準備する「キッティング」と呼ばれるエリアを経て、後半で小型・中型・大型トラックが、エンジン搭載、運転席、燃料・オイル・冷却、タイヤの順で組み立てられていく作業工程を目の前に、「ラインが正確かつ時間通りに動いているのが素晴らしい」と、ネパールからの参加者。また、「床に油一滴すら落ちていない、清潔な環境に驚かされた」とコメントしたガーナの代表は、「技術移転の重要性は計り知れず、自国では、今後新車の製造工場の誘致にも注力する」とも語りました。また、今後、自国への工場設立についての有無など、具体的に質問を投げかけたのはインドネシアの代表。国の事情や将来像は様々でも、日本の技術に対する信頼と興味という点では、外交団の中でも、共通していたようです。
UNIDO東京事務所が企画する、同社への大使館視察プログラムは3回目。毎年、新たなオートメーション化と、世界の自動車製造の現場にも浸透している、日本発の「Karakuri(からくり)Kaizen(改善)」 をミックスした製造現場は、今年も各国を代表する外交団の熱い視線を浴びる事となりました。
参加大使館:
アンゴラ共和国、イラク共和国、インドネシア共和国、ガーナ共和国、カタール国、ガボン共和国、カンボジア王国、キルギス共和国、コロンビア共和国、コンゴ民主共和国、ネパール連邦民主共和国、ハイチ共和国、パラグアイ共和国、フィリピン共和国、ベネズエラ・ボリバル共和国、ボツワナ共和国、ホンジュラス共和国
概要
日 時 2016年12月2日(金)13:30-18:00
場 所 三菱ふそうトラック・バス株式会社 川崎製作所
共 催 UNIDO東京事務所、川崎市、ダイムラーインジャパン