UNIDO東京事務所の安永裕幸所長が、2021年3月26日、日刊工業新聞社、モノづくり日本会議主催のウェビナー「途上国支援・技術開発とSDGs-日本企業のアクションを広めよう」に登壇し、基調講演とパネルディスカッションを行いました。
本ウェビナーは、3月26、27日にオンライン開催した「ジャパンSDGsアクションフェスティバル」(*1)の連携イベントとして開催されました。開催趣旨は、自社技術を活かし途上国支援に注力する日本企業への関心が高まる中で、限られた資金や人材を用い、自社利益を確保しながら継続的に途上国支援を行う中小企業の事例を取り上げながらSDGs貢献のこれからのあり方を探ることにありました。
まず、UNIDO東京事務所 安永所長が基調講演を行い、持続可能な社会を目指す上での社会的課題をビジネスチャンスとなることについて言及しました。また、SDGs時代では途上国を援助対象からビジネスパートナーと捉える重要性について具体例を用いて説明しました。
次に3名のパネリストにより各民間企業のSDGs貢献や途上国での取り組みが紹介されました。
日之出産業株式会社 取締役 藤田香氏は、水処理を通して環境保全に貢献するという企業理念を共有するとともに、フィリピンでの汚水処理改善技術導入案件化調査、「自分たちがアフリカへ行くことが難しければアフリカから人を呼ぼう」とABEイニシアティブプログラムのインターン生を社員数とほぼ同数受け入れていること、汚泥処理などの3つの取り組みを紹介されました。
株式会社キミカ 代表取締役社長 笠原文善氏は、チリ海岸に漂着した海藻を資源として有効活用し、食品や医薬、化粧品などの様々な用途に使用されるアルギン酸を抽出し、一貫生産体制を確立するに至るまでの経緯を紹介されました。また、この持続可能な取り組みや、社内における若手社員の積極的な姿勢により、昨年ジャパンSDGsアワード特別賞を受賞されました。
三菱ケミカルアクア・ソリューションズ株式会社 執行役員 海外事業推進室長 等々力博明氏は、自社の分散型給水システムや中空糸膜技術を使用した地下水浄化サービス事業を説明し、それらを用いたケニアやベトナムでのプロジェクト実例を紹介されました。また、UNIDO東京事務所のサステナブル技術普及プラットフォーム(STePP)の活用を通じた事業についても説明しました。
パネルディスカッションでは、日刊工業新聞社 編集委員 松木喬氏の司会の下に、SDGs時代における日本の中小企業の途上国進出への可能性に関して、パネリストを交えての議論がなされました。
【開催概要】
・日 時:2021年3月26日(金)10:30~12:20
・主 催:日刊工業新聞社、モノづくり日本会議
・後 援:UNIDO東京投資・技術移転促進事務所、ジャパンSDGsアクション協議会
・形 式:オンライン開催
・参加費:無料(先着順・定員500名)
【パネリスト】
・国連工業開発機関(UNIDO)東京投資・技術移転促進事務所 所長 安永裕幸
・株式会社キミカ 代表取締役社長 笠原文善
・三菱ケミカルアクア・ソリューションズ株式会社 執行役員 海外事業推進室長 等々力博明
・日之出産業株式会社 取締役 藤田香
・日刊工業新聞社 編集委員 松木喬 *コーディネーター
【ご参考】
・*1 「ジャパンSDGsアクションフェスティバル」(3月26、27日、オンライン開催):主催=ジャパンSDGsアクション推進協議会(神奈川県、外務省、内閣府、金融庁、環境省、経団連など。会長=蟹江憲史・慶應義塾大学教授)モハメッド国連副事務総長、シュタイナーUNDP総裁(ともにビデオメッセージ)ら会期中にさまざまなプログラムが開催されます。
・「日刊工業新聞」SDGs面 UNIDO 東京事務所長 安永所長の連載寄稿掲載をこちらよりご覧頂けます。