UNIDO東京事務所は2021年5月20日(木)、オンラインセミナー「女性のエンパワーメントとSDG Goal 9 『産業と技術革新の基盤をつくろう』」を開催しました。SDGsの推進に力を入れている朝日新聞社や、日之出産業株式会社の代表者やUNIDO東京事務所の アフリカアドバイザーが登壇し、途上国における女性の現状や、産業開発を通じた女性の地位向上につながる取り組みなどに関する知見や経験を交わしました。
今回のテーマは、SDGs目標9「産業と技術革新の基盤をつくろう」の達成に向け、女性のエンパワーメントがなぜ重要か。パネルディスカッションでは、朝日新聞が新ウェブサイト「SDGs ACTION! 」 編集長の高橋万見子氏がモデレーターを務め、女性が労働市場で男性と同じ役割を果たした場合、世界の国内総生産が2025年までに25%以上増えるというデータを提示し、「女性の活躍は、女性の権利を実現するだけでなく、経済発展にも非常に重要」と投げかけました。
セネガルから登壇したのは、UNIDO東京事務所 アフリカアドバイザーとして、日本企業のビジネスを支援するアイサトゥ・ンジャイ氏。アフリカでは、大学以上の教育の機会が少ないことが女性の金融や市場、土地へのアクセスを妨げる原因となっており、「労働力としての女性の力が無駄にされている」と指摘。女性の経済的なエンパワーメント向上にむけ、「まず様々なレベルの人がこの問題を認識することが重要」と強調しました。
こうした課題に対し、UNIDO東京事務所「サステナブル技術普及プラットフォーム(STePP)」登録企業でもある日之出産業株式会社取締役の藤田香氏は、途上国の女性をインターンとして積極的に採用している取り組みを紹介。「小さなプロジェクトでも、女性にリーダー的な役割の機会を与えて自信をつけさせることが重要」と述べ、インターン後に南アフリカで起業したり、スーダンでNPOを立ち上げたりして、現地の課題解決に取り組む若い女性たちの事例を紹介しました。
また、アイサトゥ氏は、女性がインターネットを通じて教育の機会を得たセネガル農村部における日本企業のビジネス事例を挙げ、「日本企業には女性のエンパワーメントのための原則をビジネスに取り入れるノウハウがあり、途上国にガイダンスを提供できる」と述べました。参加者から「男性側の意識をどのように変えるか」という質問が出ると、登壇者たちは、重要なポイントとして、「女性が活躍できるというロールモデルを積み重ねること」「対話を重ねること」などを挙げ、イベントを締めくくりました。
概 要
日 時: 2021年5月20日(木)17:00~18:00 (日本時間)/ 8:00〜9:00 (GMT)
実施方法: オンライン開催
主 催: UNIDO東京事務所
言 語: 日英同時通訳
参加費: 無料
プログラム
17:00 – 17:05 開会挨拶
UNIDO東京事務所長 安永 裕幸
17:05 – 17:10 プレゼンテーション
株式会社朝日新聞社 ウェブメディアSDGs ACTION! 編集長 高橋 万見子氏
17:10 – 17:15 プレゼンテーション
日之出産業株式会社 取締役 藤田 香氏
17:15 – 17:20 プレゼンテーション
UNIDO東京事務所 アフリカアドバイザー(在セネガル)アイサトゥ・ンジャイ
17:20 – 18:00 パネルディスカッション、質疑応答
関連資料
UNIDO エネルギープログラム:包括的で持続可能な産業開発のための女性のエンパワーメントと持続可能なエネルギーの相互利益 |
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