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UNIDO事務局長、日本との協力強化のために来日(前半)

UNIDO事務局長、日本との協力強化のために来日(前半)

2015.05.20

UNIDO本部プレスリリースをUNIDO東京事務所にて和訳)

東京、2015年5月13日

日本へ公式訪問中のリー・ヨン事務局長は、中山泰秀外務副大臣、関芳弘経済産業大臣政務官と会談しました。

リー事務局長は今回の訪日について、非常に重要かつ時宜を得たものであり、UNIDOと日本のこれまでの協力事業を確認した上で、両者が今後より一層連携を強化できる分野について日本政府の見解を知ることが目的であると述べました。

リー事務局長は、UNIDO予算の大きな割合を占める日本の分担金が継続的かつ予定通りに支払われていることや、個別プロジェクトに対しても多額の任意拠出金を受けていることに触れ、日本政府の長期的かつ一貫した支援について感謝の意を表しました。

DG-Nakayamaリー事務局長は今年2月の開発協力大綱において日本政府が示したビジョンを歓迎し、中でも「質の高い成長」(包摂的、持続可能かつ強靭な成長)を通じた貧困撲滅という重点課題は、UNIDOの掲げる包摂的かつ持続可能な産業開発(ISID)という目標とも一致していると評価しました。UNIDOの活動は、特に女性や若者、紛争や自然災害等の危機に瀕した人々など、社会的に脆弱なグループを支援するものであり、そうした人々が成長過程に参加する機会を等しく与え、社会発展の基礎づくりを目指すものであると力説しました。また、包摂性とは誰ひとり取り残されることがないという意味である点を強調しました。

リー事務局長はUNIDOと日本の協力による実績として、2003年から実施している人間の安全保障分野における貢献、1993年の第一回から参加しているアフリカ開発会議(TICAD)、UNIDO東京事務所の活動実績、経済産業省との共同事業であり先駆的な取り組みである「低炭素・低排出クリーンエネルギー技術移転プログラム(LCET)」、その他さまざまな投資・技術移転の事例を挙げました。また、UNIDOの気候変動緩和に対する貢献や、地球環境ファシリティ(GEF)やモントリオール議定書の実施のための多国間基金の中で、UNIDOが実施機関として行っている活動の概要を述べました。

中山外務副大臣は、UNIDOの付加価値を高めてより効率的な運営を目指す事務局長の考えに対して謝意を伝え、それによってUNIDOの重要性がより説得力をもって示されることを期待していると述べました。

中山外務副大臣は、包摂的かつ持続可能な産業開発(ISID)は全ての人にとって永続的な成長が実現されることを意味しており、この取り組みがポスト2015年開発アジェンダに資するものであると歓迎しました。またUNIDOが先進国と開発途上国の双方を繋ぐネットワーク作りに貢献している点も評価しました。中山外務副大臣は、UNIDOのプロジェクト実施を通じて日本の民間セクターが持つ技術やノウハウの有効活用がますます推進されることを期待すると述べました。最後に、UNIDOの頭文字について独自の解釈を交えて次のように締めくくりました。「“U ‘n’ I DO!” (You and I do!)」(あなたも私も行動する!)

 

DG-Seki関芳弘経済産業大臣政務官はUNIDOによって実施された事業について感謝の意を表し、同機関の活動が活発かつ有意義であり、実りの多いものであると評価しました。また同省からUNIDOへ出向している職員が国際開発に向けて質の高い貢献をしている点について報告を受け、謝意を伝えました。経済産業省はUNIDOとのさらなる連携強化に非常に前向きであり、できる限りの支援を行うと述べました。来るウィーンエネルギーフォーラム2015や、来年に予定されているアフリカ開発会議(TICAD 6)、さらにプロジェクトレベルでの連携など、UNIDOとの協力関係を強化する好機となるだろうと伝え、会談を締めくくりました。