カジュアルからスーツまで、進化するアパレル大国「バングラデシュ」
2015.07.14
輸出の8割がアパレル製品──輸出額は世界第2位
中国、インドなどの大国やASEAN諸国が注目されがちだが、繊維産業など労働集約型のビジネスではバングラデシュの競争力は非常に高い。親日国でもあり、人手不足に悩む日本企業にとって有力なビジネスパートナーだ。
アパレル製造業が主力産業
バングラデシュのアパレル製造業は国の輸出品目の約8割を占めており、その輸出額235億ドルは中国に次いで世界第2位である。
バングラデシュの主要輸出品目 アジア各国のアパレル輸出額
(JETRO 輸出統計 2011-2012年度) (WTO 2013年 単位:百万ドル)
バングラデシュは特恵関税の対象国
・・・日本向けの輸入関税はゼロとなる(中国などと比較した場合、有利)
安価で豊富な労働力が最大の強み
ワーカーのおよその賃金は、中国の4分の1から5分の1、インドの2分の1から3分の1であり、ベトナムに対しても3分の2から2分の1である。
人口は1億6千万人で毎年200万人ずつ増加している。
識字率は56.8%だが、人口密度が高いため、識字人口密度でみるとミャンマーの7倍の高さとなり、良質な労働力を近隣から集めやすい環境にあると言える。
人口が多いため今後は国内市場の拡大にも期待がかかる。
日本企業の進出は拡大傾向
安価な労働力を最大限に活用するなら・・・縫製工場など現地企業への委託生産方式が主流である。
縫製だけでなく検品や物流などの付帯サービスも充実している。
自社の独自性を重視するなら・・・直接投資による自社工場での生産。
日本企業はすでに189社が進出している(JETRO 2014年4月時点)。
但し、工場用地は不足しており、輸出加工区(EPZ)にはほとんど空きが無い状況である。進出するためには現地側での密な情報収集と関係作りが必要である。
バングラデシュに進出している日本企業
アパレル | F.V.G、クラボウインターナショナル、グンゼ、三景、ヨシダユウ、小島衣料、 東レ、ナカノ、丸久、マツオカコーポレーション、ユニクロ、YKKなど |
商社 | 伊藤忠商事、NI帝人商事、住友商事、蝶理、豊田通商、丸紅、三井物産、三菱商事など |
物流 | 川崎汽船、近鉄エクスプレス、鴻池運輸、日本通運、日本郵船など |
検品 | アサヒ・リンク、QTEC、ケンツー、ハマキョウレックス、カケン、 パシフィック・クオリティ・コントロール(PQC)など |
その他 | 味の素、ニプロ、ドゥ・ラマーレ、ロート製薬大林組、KDDI、 NTTドコモ、 清水建設、H.I.S.など |
バングラデシュとのビジネスを始めるには
公的なビジネスサポートがあまり期待できないため、信頼できる民間コンサルタントを通じて現地ビジネスパートナーを確保することが重要です。なお、コンサルタント選びは、過去の実績などを十分考慮し、慎重に行う必要があります。
UNIDO東京事務所では、7月21日~31日の日程で、バングラデシュよりハイソン・インターナショナル社代表のジャラルル・ハイ氏を招聘し、バングラデシュでのビジネスに関心を持つ企業に対する個別の投資相談会(無料)を実施します。
ハイ氏は、バングラデシュ投資庁(BOI)での20数年のキャリア(外国投資担当部長)に加え、在バングラデシュ日本大使館での3年余の勤務(アドバイザー)において、数多くの日本企業の事業立上げや操業後のトラブル解決を支援してきました。
7月23・24日(東京)、7月28・29日(大阪)での投資相談に若干の空きがございますので、ハイ氏との面談を希望される方は、UNIDO東京事務所(担当:としなが)までお問合せください。
ハイ氏は、下記にて開催予定の「バングラデシュ・セミナー」にも登壇します。詳しくはこちらをご参照ください。
日 時: 2015年7月22日(水)11:00~11:50
場 所: 東京ビッグサイト西展示場「JFW インターナショナル・ファッションフェア」会場内